日本板硝子がガラス業界で世界初の量産に成功した真空ガラス「スペーシア®」シリーズに、昨年10月、「スーパースペーシア®」が登場した。
「スペーシア®」は、二層にしたガラスの間が真空になっている。真空層が熱の伝導と対流を防ぎ、1枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスの約2倍の断熱性能を持つ。「スーパースペーシア®」は、さらに断熱性が約54%向上。ポイントは真空を保つためにガラス間に配置された、マイクロスペーサーという支柱だ。
「非常に小さい金属柱ですが、室外から室内に熱を伝え、逆に熱を逃がしてしまうという弱点を持ちます。この配置を20mm間隔から28mm間隔にすることで個数を半減でき、その分、伝わる熱も半減できました」と、小木曾由美さんが説明してくれる。
「住宅メーカーなどが、年間エネルギー収支を実質ゼロとする"ゼロエネルギー住宅(ZEH)"の開発に力を注ぐ中、より断熱性能の高いガラスが求められています。その声に応えるべく、『スペーシア®』の改良に取り組んできました」と、朝香寛さんが、開発経緯を語ってくれた。