メッセージ「住友最前線」

様々な領域の最前線でプロジェクトを率いる住友グループ各社社員の、
未来にかける熱い想いを紹介します。

住友大阪セメント
災害廃棄物の受け入れを通じて
被災地に確かな支援を提供する

──── 住友大阪セメント
赤穂工場 環境課 齋藤 崇さん
赤穂工場 業務課 伊藤梨果子さん

未来の災害に向けた備え

災害廃棄物を放置することは衛生面においても問題があるため、スピーディーな処理が求められる。がれきの山は、広島県呉市から運び込まれたもの。赤穂工場では岡山県で発生した災害廃棄物4000tを受け入れる予定(上)。災害廃棄物は被災自治体で分類され運ばれてくるが、それでも大量のプラスチックや金属などが含まれるため、時には手で異物を取り除く作業も必要だ(下)。

近年、自然災害の発生件数は全国で増加傾向にある。その際に必ず持ち上がるのが「災害廃棄物」の問題だ。2018年の西日本豪雨では、被災地域全体で約200万tもの廃棄物が出た。そんな災害廃棄物の処理に大きな役割を担っているのがセメント会社だ。

住友大阪セメントでは、西日本豪雨の被災地域である岡山県・広島県呉市・愛媛県宇和島市の3自治体から災害廃棄物を受け入れている。セメント製造の工程では原料や熱エネルギーとして大量の廃棄物を使用する。とりわけ住友大阪セメントは、セメント1tに対して500kg以上の廃棄物やスラグなどの副産物を使用している実績が、今回の受け入れにつながった。

「災害廃棄物をセメント製造の原料や熱エネルギーとして再利用するのは、当社ならではの被災地支援の形。被災地出身の社員も多く、仕事を通じて確かなサポートを提供できることに喜びを感じています」と、現場で受け入れを担当する業務課の伊藤梨果子さんは話す。

「災害廃棄物の受け入れには行政との緊密な連携が不可欠です。また、災害廃棄物は異物を多く含むため、処理に当たっては他の廃棄物よりも処理までの管理が厳しいという難しさもあります。今も勉強の毎日ですが、何も分からなかった当初と比べて受け入れのノウハウが培われている実感はありますね」と話すのは、行政とのやりとりを担当する環境課の齋藤崇さんだ。

「災害はいつかまた必ず起きる。当社の取り組みは、未来の災害に向けた備えでもあるのです」

SUMITOMO QUARTERLY NO.159より転載

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