様々な領域の最前線でプロジェクトを率いる住友グループ各社社員の、
未来にかける熱い想いを紹介します。
大量生産大量消費の時代が終わり、素材メーカーは歴史的な転換点に立っている。その中で、430年にわたり、鉱物資源を活用した素材を供給してきた住友金属鉱山は、独自の技術や製品でニーズを先取りし、高いシェアと収益性を確保することを目指している。
その一方で、ICTの発達により、グローバルで情報が共有され、多くのステークホルダーが複雑に絡み合う中、大学やNPO、政府機関など従来の顧客の枠組みを超えた連携が極めて重要になっている。「素材メーカーの強みを生かして、ファッション、医療、ヘルスケアなど、今までであれば全く考えられない分野の人たちと組むことで、社会に大きなインパクトを与えることができます」と粉体材料事業部の東福淳司・企画開発部部長は話す。
そのために開設したのが粉体材料事業の製品情報発信サイト「X-MINING(クロスマイニング)」だ。「独創から共創へ」をスローガンに掲げ、住友金属鉱山の従来の枠組みを再構築し、強い個性を持つ者同士をつなげる。オープンイノベーションで、社内の風土の変革を促し、新たなアイデアや事業を生み出すことが狙いだ。サイトには近赤外線遮蔽材料や希土類磁性材料などの素材、その機能と技術を紹介するコンテンツを掲載。その上で社内のユニークな研究者や営業経験者を専属マーケッターとして、グローバルで人的つながりを作り、コラボレーションしていく。「鉱山会社では採鉱者が鉱脈を見つけるマイニング活動をしていますが、ひとりでは非効率的です。ICTをフル活用して、マイニングを行い、様々な分野の人たちと共創、開発や研究の鉱脈を掘り当てていきます」(東福氏)。住友金属鉱山ではまず応用が可能な粉体材料事業部で実績を重ねた上で、X-MININGの活用を全社に広げ、未来を築いていく計画だ。
SUMITOMO QUARTERLY NO.163より転載