つぼいひろきの住友グループ探訪
住友不動産 マンションリフォーム
住友不動産の戸建てリフォーム「新築そっくりさん」。
そのマンション版として「スケルトンリノベーション」を提供している。
住友不動産の戸建てリフォーム「新築そっくりさん」。
そのマンション版として「スケルトンリノベーション」を提供している。
多くの人々にとって「家」は、一生に一度の特別な買い物だろう。ボクも東京都内に自宅を構えている。
子どもの頃、親の転勤で引っ越すことが多かったボクには「故郷」と呼べる場所がない。だからせめて、自分は子どもたちのために今の家で末永く暮らそうと思っている。子どもたちが大人になって巣立った後も、この家を故郷と思い、時々は(いつかは孫でも連れて)遊びに来てもらえたらなと願っている――。そんなボクにとって、家に関わる今回のテーマは人ごとではなく、興味津々で取材に挑んだ。
住友不動産は1996年、戸建て1棟をリフォームする「新築そっくりさん」を開始。柱などもともとの構造を生かしつつ、それ以外はまるで新築したかのように丸ごとリフォームするというものだ。当時、リフォーム業界でそのような工法を取る事業者はなく、建て替えに比べて最大50%の費用に抑えられることと、安心の定価制などが好評を博した。そのマンション版として2000年から始まったのが同社のマンションリフォーム「スケルトンリノベーション」だ。
「一般的にリフォームというと、お風呂やトイレなどの設備交換や、壁紙の貼り替えといった部分的なリフォームのことを指しますが、当社のスケルトンリノベーションは、各部屋を仕切る壁や、床、天井など専有部の内装もすべて撤去し、一度、構造躯体だけを取り残した“スケルトン”状態にして、間取りから水回りの位置、給排水・電気配線まで一新するのが特徴です」。そう教えてくれたのは新築そっくりさん事業本部の宇佐美理さんだ。
身長に合わせてコンセントやスイッチの高さを変えたり、左利きの方が使いやすいように食器洗浄機の位置を変えたり。また、経年劣化した排水管の交換など、細かい点こそ「スケルトンリノベーション」の肝だ。実際に暮らす方の要望を丁寧に聞き取りながら、セールスエンジニア(SE)は共に暮らしやすさを形にしていく。
実際にスケルトン状態になった現場を見せてもらったら、壁がすべてコンクリートむき出し! 分譲マンションとはいえ「こんなに剥がしちゃって大丈夫!?」と心配になる……。聞けば、通常マンションでは柱と梁で構造を支えるラーメン構造を取る例が多く、専有部分の壁を取り払っても構造にはまったく影響がないそうだ。いわゆる「コンクリート打ちっ放し」のガランとした空間で、どこがリビング・寝室だったのか、どこに水回り設備があったのか、素人目には分からない。
宇佐美さんによると、築20~30年のマンションに暮らす50代以上の人たちが相談に訪れる例が非常に多いそうだ。子どもが独立し、夫婦2人だけで暮らすに当たり間取りも変えようということらしい。「新築マンションでは、すでにある『住まいに暮らしを合わせていた』と思いますが、スケルトンリノベーションでは、『暮らしに住まいを合わせる』。そのお手伝いをさせていただきます」
リフォーム後の物件を幾つか案内してもらうと、そこにはため息が漏れそうなくらい広くてゆったりとしたリビングが広がっていた。夫婦2人暮らしなので、子ども部屋をなくしてリビングを広げているらしい。とても開放的だ。奥の方には大理石のオープンキッチンが。もともとは壁付けのキッチンがあったそうで、このように水回りの位置を変更することもできる。浴室と洗面所がこれまたゆったりとして、まるでシティホテルみたいに上質。
開放的なガラス張りの浴室(上)や、ペットが自由に走り回るための工夫(左下)を求める声も高い。
夢のような住空間を実現するため、最初に間取りや仕様をじっくり検討することが大切だという。例えば、キッチンや浴室など水回りの位置を大幅に変更したいと思っても、マンション共用部分にある給排水管との位置関係で、難しい場合もある。「それでも『まずはお客様のご要望をすべて聞いてくるように』と社員には伝えています」と宇佐美さん。これまで約1万件超の施工実績で獲得したノウハウを基に、ギリギリのところまで検討してくれるというから頼もしい。住友不動産ではリフォームでお客様対応を行う社員を「セールスエンジニア(SE)」と呼び、最初の相談から引き渡しまで一貫して担当する制度を取っている。一般的にリフォーム事業者は、工程ごとに担当者が異なるケースが多く、「現場に要望が伝わらない」「打ち合わせと完成イメージが違う」といったトラブルも起こり得る。それを未然に防ぐ体制を敷いているわけだ。これまで蓄積したノウハウを基にマンションリフォームの「施工要領書」を独自に作り、工事が間違いなく行われているか100以上の項目に沿って検査員が細かくチェックするという。
料金を「完全定額制」としている点も特徴だ。通常のリフォーム工事では内容ごとに数量と単価を積み上げて見積書を作るが、一般人には分かりにくい。さらにリフォーム工事につきものの“予期しない事態”が発生した場合、追加料金が発生する恐れもある。それに対し、スケルトンリノベーションは基本的に、料金が「基本工事費+お客様が選んだ住設機器代」で、一度決まれば追加請求がない明朗会計。こんなところにも同社の「お客さまファースト」な姿勢が表れている。家族と末永く暮らす住まい。リフォームをするならやはり信頼できる人たちに頼みたい!
今回、マンションの「スケルトンリノベーション」を取材できると決まった時から、つぼいさんはもちろん制作スタッフ一同、いつになく真剣。
「なんでも、間取りごと一新できるそうですよ」
「え!? では、部屋の中央をガラス貼りのバスルームと中庭にして、木や花を植えるなんてことも……?」
「さすがにそんな間取りは不可能でしょう!」
と、理想の間取りを巡って夢は広がり、わくわくしながら取材に伺いました。
つぼいさんが本文にも書いているように、住友不動産には、これまで約1万件超の施工実績があります。過去には、それこそ「部屋の中央をガラス貼りのバスルームに……」という大胆な要望もあったそうで、「部屋の条件によっては実現できる可能性もある」と伺った時、スタッフ全員が思わず驚きの声を上げました。また、実際にリフォームのサンプルを見学している時も、スペースを有効に使うための工夫が随所に見られ、驚きの連続でした。