表彰式では、毎年ドラマが生まれます。優勝チームの歓喜、残念ながら目標を達成できなかったチームの落胆。参加者の皆さんがいかに真剣に取り組んできたか、その熱意が伝わってきます。今回優勝を飾った大学はチーム・オーストラリア、同大学はチームワーク賞にも輝きました。また日本語での対戦による最高得点は、仲裁が大阪大学、交渉が上智大学、英語での対戦による最高得点は、仲裁・交渉ともにチーム・オーストラリアでした。
住友グループ広報委員会は、インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションを通じて、大学生の交渉教育を応援し、真の国際的な人材育成に寄与したいと考えています。
インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションホームページ
2024年11月16日(土)・17日(日)の両日、第23回インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションが上智大学会場にて開催されました。
今回は、国内の20大学(北海道大学、東北大学、東京大学、早稲田大学、明治大学、上智大学、中央大学、学習院大学、日本大学、立教大学、筑波大学、慶應義塾大学、一橋大学、名古屋大学、京都大学、同志社大学、立命館大学、大阪大学、九州大学、西南学院大学)と、海外の9チーム(チーム・オーストラリア、シンガポール国立大学、モンゴル国立大学、SolBridge International School of Business、Peking University School of Transnational Law、George Mason University, Korea Campus、Temple University, Japan Campus、Government Law College Mumbai、Guru Gobind Singh Indraprastha University)から参加した279名(日本語の部36チーム、英語の部28チーム)が熱戦を繰り広げました。
ラウンドA 仲裁 | ラウンドB 交渉 | |||
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レッド | ブルー | レッド | ブルー | |
1 | 立教大学 J1 | 東北大学 J1 | シンガポール国立大学 J1 | 立命館大学 J1 |
2 | 早稲田大学 J1 | 明治大学 J2 | 上智大学 J3 | 九州大学 J1 |
3 | 学習院大学 J1 | 一橋大学 J1 | 早稲田大学 J1 | 京都大学 J1 |
4 | 東京大学 J2 | 大阪大学 J1 | 同志社大学 J2 | 一橋大学 J2 |
5 | 上智大学 J1 | 明治大学 J1 | 上智大学 J2 | 大阪大学 J2 |
6 | 学習院大学 J2 | 九州大学 J1 | 立教大学 J1 | 大阪大学 J1 |
7 | 日本大学 J1 | 京都大学 J1 | 東京大学 J2 | 明治大学 J3 |
8 | 東京大学 J1 | 九州大学 J2 | 学習院大学 J2 | 中央大学 J1 |
9 | シンガポール国立大学 J1 | 一橋大学 J2 | 早稲田大学 J2 | 九州大学 J2 |
10 | 上智大学 J3 | 京都大学 J2 | 同志社大学 J1 | 明治大学 J1 |
11 | 立教大学 J3 | 一橋大学 J3 | 東京大学 J1 | 一橋大学 J3 |
12 | 同志社大学 J2 | 大阪大学 J2 | 日本大学 J1 | 東北大学 J1 |
13 | 上智大学 J2 | 中央大学 J2 | 立教大学 J2 | 京都大学 J2 |
14 | 西南学院大学 J1 | 明治大学 J3 | 西南学院大学 J1 | 中央大学 J2 |
15 | 立教大学 J2 | 立命館大学 J1 | 北海道大学 J1 | 筑波大学 J1 |
16 | 北海道大学 J1 | モンゴル国立大学 J1 | 立教大学 J3 | 明治大学 J2 |
17 | 同志社大学 J1 | 筑波大学 J1 | 上智大学 J1 | 一橋大学 J1 |
18 | 早稲田大学 J2 | 中央大学 J1 | 学習院大学 J1 | モンゴル国立大学 J1 |
ラウンドA 仲裁 | ラウンドB 交渉 | |||
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レッド | ブルー | レッド | ブルー | |
1 | シンガポール国立大学 E1 | 中央大学 E1 | SolBridge International School of Business E1 | 中央大学 E1 |
2 | Government Law College Mumbai E1 | 名古屋大学 E1 | Government Law College Mumbai E1 | 中央大学 E2 |
3 | 立教大学 E2 | George Mason University, Korea Campus E1 | シンガポール国立大学 E2 | 明治大学 E1 |
4 | Peking University School of Transnational Law E1 | 名古屋大学 E2 | Temple University, Japan Campus E2 | 一橋大学 E1 |
5 | Temple University, Japan Campus E2 | モンゴル国立大学 E1 | 立教大学 E2 | 慶應義塾大学 E1 |
6 | 早稲田大学 E1 | 一橋大学 E1 | シンガポール国立大学 E1 | 名古屋大学 E1 |
7 | 東京大学 E2 | チーム・オーストラリア E1 | 東京大学 E1 | 名古屋大学 E2 |
8 | Government Law College Mumbai E2 | 明治大学 E1 | Government Law College Mumbai E2 | 立命館大学 E1 |
9 | シンガポール国立大学 E2 | 慶應義塾大学 E1 | 立教大学 E1 | 九州大学 E1 |
10 | 上智大学 E1 | チーム・オーストラリア E2 | Peking University School of Transnational Law E1 | チーム・オーストラリア E1 |
11 | 立教大学 E1 | 中央大学 E2 | 早稲田大学 E1 | チーム・オーストラリア E2 |
12 | Temple University, Japan Campus E1 | 立命館大学 E1 | 上智大学 E1 | モンゴル国立大学 E1 |
13 | SolBridge International School of Business E1 | 九州大学 E1 | Temple University, Japan Campus E1 | Guru Gobind Singh Indraprastha University E1 |
14 | 東京大学 E1 | Guru Gobind Singh Indraprastha University E1 | 東京大学 E2 | George Mason University, Korea Campus E1 |
本コンペティションは「仲裁」(ラウンドA)と「交渉」(ラウンドB)の2部構成となっており、それぞれ日本語と英語の部に分かれています。ラウンドA、ラウンドBともに、歴史的な国立美術館のレッド美術館と、都市開発・大型施設建設・不動産賃貸・商業施設等運営事業のブルー社との間の美術館建設請負契約における債務不履行および企画展示作品の貸し出しを題材とし、各チームはレッド美術館またはブルー社のいずれかを担当しました。
ラウンドAの仲裁の問題は、美術館を巡る「新館事件」と「オレンジ・コレクション事件」について出題されました。
新館事件は、ブルー社が請け負い、建設したレッド美術館の新館において、引渡し・開館後に生じた新館展示室の重大な不具合に関するものでした。これについての争点は主に4点です。
①ブルー社には債務不履行があったか:
新館の展示室において室温が急激に上昇し、
湿度が設計基準を大幅に超える事態が発生。
レッド美術館が依頼した外部専門家による
鑑定報告書を前提とすると、
センサーや配管の配置が設計図と
異なっていたことが原因か。
②仮に債務不履行があった場合、
ブルー社が賠償すべき額はいくらか:
10点の絵画が損傷。
③レッド美術館はブルー社に対して、
20万米ドルを支払う義務を負うか:
ブルー社は新館の修理費用20万米ドルを支出したが、
レッド美術館がこれを負担すべきと主張している。
④仲裁手続は停止されるべきか。
仲裁廷は当事者が合意する技術の専門家の
判断を前提とする必要があるか。
一方、オレンジ・コレクション事件は、レッド美術館がブルー社に独占的代理権を付与する契約を締結した上で「オレンジ・コレクション」という美術品の収集を依頼したにもかかわらず、レッド美術館は一部作品をグリーン社経由で取得し、残りの作品を直接取得したというものです。これについての争点は主に2点です。
①レッド美術館には債務不履行があったか:
独占的代理権の例外条項に該当するかの検討。
②仮に債務不履行があった場合、
レッド美術館が賠償すべき額はいくらか。
各チームは、レッド社あるいはブルー社のいずれかの代理人弁護士となって、仲裁人役の審査員を前に主張を戦わせました。
ラウンドBでは、新館事件は存在するものの仲裁は行われておらず、オレンジ・コレクション事件は存在しない前提で、次の2点について交渉が行われました。
①新館事件を争わずに、
交渉により決着する方法について。
②ブルー社が所有する美術作品12点の
レッド美術館への貸し出す条件について。
両日合計で143名の弁護士、裁判官、研究者、企業実務家等に審査員としてご協力をいただきました。一部の対戦室はハイブリッド形式(審査員の一部がオンライン参加)で実施され、本大会OB、OGの方に受付、運営、対戦のサポート等を担当する本部スタッフとして大会をサポートしていただきました。
表彰式では、毎年ドラマが生まれます。優勝チームの歓喜、残念ながら目標を達成できなかったチームの落胆。参加者の皆さんがいかに真剣に取り組んできたか、その熱意が伝わってきます。今回優勝を飾った大学はチーム・オーストラリア、同大学はチームワーク賞にも輝きました。また日本語での対戦による最高得点は、仲裁が大阪大学、交渉が上智大学、英語での対戦による最高得点は、仲裁・交渉ともにチーム・オーストラリアでした。
優勝 | チーム・オーストラリア | 227.25点 |
---|---|---|
2位 | 上智大学 | 210点 |
3位 | シンガポール国立大学 | 209.8333点 |
4位 | 東京大学 | 208.5点 |
5位 | 大阪大学 | 204点 |
6位 | 日本大学 | 201点 |
6位 | George Mason University, Korea Campus | 201点 |
8位 | 明治大学 | 200点 |
9位 | 九州大学 | 199.8333点 |
10位 | 中央大学 | 199点 |
チームワーク賞 | チーム・オーストラリア |
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日本語の部・仲裁 最高得点 | 大阪大学 |
日本語の部・交渉 最高得点 | 上智大学 |
英語の部・仲裁 最高得点 | チーム・オーストラリア |
英語の部・交渉 最高得点 | チーム・オーストラリア |
1位 | 東京大学 |
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2位 | 上智大学 |
3位 | 大阪大学 |
4位 | 日本大学 |
5位 | 西南学院大学 |
1位 | チーム・オーストラリア |
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2位 | シンガポール国立大学 |
3位 | 上智大学 |
4位 | 明治大学 |
5位 | 東京大学 |