2004年11月20日・21日に上智大学において、第3回インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションが行われました。
今回は前回参加の東京大学、京都大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、中央大学、同志社大学、上智大学に加え、早稲田大学、慶応大学、一橋大学、北海道大学の12校が対戦することになりました。
また、平成16年度文部科学省事業「特色ある大学教育支援プログラム(教育COE)」に、大阪大学、上智大学が共同で提案した「大学対抗交渉コンペティション」(以下では「交渉コンペ」という)が採択されました。交渉コンペは、大学、企業および法曹が協力して大学における交渉教育を促進しようという新しい試みです。
仲裁 | 仲裁人講評 | 懇親会 |
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150Kbps/300Kbps | 150Kbps/300Kbps | 150Kbps/300Kbps |
交渉 | ゲストスピーチ | 審査員講評 |
150Kbps/300Kbps | 150Kbps/300Kbps | 150Kbps/300Kbps |
結果発表 | ||
150Kbps/300Kbps |
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交渉コンペの最大の有効性は、学生や審査員、引率教員、見学者それぞれに大きなインパクトを与えることです。
学生は、他大学の学生と2日間にわたって真剣に渡り合い、寝食を共にすることによって、第1にチーム学習の顕著な効果が見られます。第2に学習に対する動機が高まります。第3に、負けたチームも勝ったチームも、他大学にはすばらしい能力・資質を持った学生がいることを実感することによって、自分の能力の相対化ができ、同時に正しい自信が生まれ、学習の動機が大いに高まります。毎年、人生観が変わったとか、将来のキャリアプランが変わったというコメントが多いことからも、この効果は裏付けられるでしょう。
教員にとっても、学習効果の客観的評価が、他大学の教員や実務家の評価を受けることによって、多面的に可能となったことは大きな収穫です。交渉コンペは、参加した教員、企業人や法曹に、強烈な印象を与えています。一言で言えば、日本の若者に対する不信感が払拭され、未来への希望を感じさせるのです。
国立大学法人化や法科大学院などの発足によって、大学間競争による優秀な学生および教員の囲い込みの弊害が懸念されています。しかし、真に国際的に通用する高度な能力を持った人材を養成するためには、意欲のある学生と意欲のある教員が大学の壁や国境を越えて相互交流することが不可欠です。交渉コンペが、大学の壁や国境を越えた切磋琢磨の場として発展していくことが期待されるゆえんです。
インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティション運営委員会
大阪大学 野村美明 教授
住友グループ広報委員会はインターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションを通じて、大学生の交渉教育を応援し、真の国際的な人材育成に寄与したいと考えます。
ラウンドA 仲裁 | ラウンドB 交渉 | |||
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レッド | ブルー | レッド | ブルー | |
1 | 北海道2 | 上智1 | 九州1 | 一橋1 |
2 | 九州1 | 中央1 | 九州2 | 上智1 |
3 | 東京1 | 京都1 | 北海道1 | 中央2 |
4 | 大阪 | 一橋1 | 東京1 | 中央1 |
5 | 北海道1 | 一橋2 | 大阪 | 京都1 |
6 | 東京2 | 上智3 | 同志社2 | 上智3 |
7 | 同志社1 | 京都2 | 東京2 | 一橋2 |
8 | 慶応 | 早稲田 | 北海道2 | 早稲田 |
9 | 同志社2 | 中央2 | 同志社1 | 上智2 |
10 | 九州2 | 上智2 | 慶応 | 京都2 |
ラウンドA 仲裁 | ラウンドB 交渉 | |||
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レッド | ブルー | レッド | ブルー | |
1 | 東京 | 名古屋1 | 九州1 | 名古屋1 |
2 | 同志社 | 名古屋2 | 東京 | 上智1 |
3 | 大阪 | 名古屋3 | 九州2 | 名古屋2 |
4 | 九州2 | 上智1 | 同志社 | 上智2 |
5 | 九州1 | 早稲田 | 慶応 | 名古屋3 |
6 | 慶応 | 上智2 | 大阪 | 早稲田 |
ネゴランド国の鉄鋼・自動車メーカーであるある「レッド社」は、新型乗用車の開発にアービトリア国の非鉄・機械製造業者である「ブルー社」にエンジンやサスペンションなどの部材供給を依頼した。新型車は予想以上の売れ行きに対し、ブルー社のメリットは少なく両社の間に問題が発生する。ひとつの理由は、アービトリア国は右ハンドル車の国であり、レッド社の生産ラインには左ハンドル車の注文が殺到したことにより右ハンドル車を製造することが出来なかった事にあり、それによる販売店契約の解除や、独占禁止法などについて仲裁人を立て両国の主張を述べ合うものでした。
ラウンドAの仲裁では、UNCITRAL仲裁規則に従って行われ、準拠法はUNIDROIT(ユニドロワ)国際商事契約規則(1994年版)とし、審理の実施については準備書面を提出させ2名の仲裁人(審査員)の立会いの下で行われました。
ラウンドBはラウンドAの両社の問題点はなく、基本合意した第2回目からの交渉という設定でスタートします。これは相対の交渉を行なうもので、交渉の目的とその設定理由を限られた書面形式で、運営委員会に電子メールファイルで提出しました。
各大学の先生方をはじめ、実際に活躍されておられる弁護士、判事、各企業の法務部の方々と多彩で本格的な審査員により、現実的で実質的な審議となりました。
審査はなるべく多くの審査員が携われるように初日と2日目には対戦相手と審査員を変え、絶対評価で各大学の平均点を出すこととしました。
今年は以下のような結果となりました。
優勝:東京大学
2位:九州大学
3位:一橋大学
4位:大阪大学
5位:同志社大学
6位:上智大学