「母」へ
俺が季節の変化に気づくのは、いつも、母さんのお弁当を開いたときです。
中根 悠貴 (17歳 茨城県鉾田市)
「亡き息子」へ
戸をしめないでと病の床で雨音を聴いていた君。朝顔の残り花に久し振りの雨です。
加藤 壽子 (77歳 京都府京都市)
「妻」へ
むかし向日葵(ひまわり)と言われた君。こっちを向いてくれないのは、僕はもう太陽ではないのか?
三木 孝良 (74歳 兵庫県姫路市)
「里の秋」へ
猫のクーがトカゲを追いかけたまま帰りません。もう冬が来るよと伝えてください。
福永 行男 (71歳 鹿児島県霧島市)
「お母さん」へ
クチナシの匂い立つ夜の気配に気づくようになって、話したいことが増えました。
飯田 浩子 (53歳 東京都新宿区)