一筆啓上賞 秀作

祖父へ

心とは、胸などではなく手にあると、病室の無口なあなたの手を握った時に思いました。

ママへ

血の繋がりがないと知った日は泣いたけど心の繋がりは何も変わらないや。ママが好き。

お母さんへ

私がガラスの心って言うと「防弾ガラス？」って言うのやめてください。

いつも、さりげなく声をかけてくれるあなたへ

盲目の私が、耳そば立て、待つバスの、「これ六番」と、背中で響く、天使の声。

九歳の娘へ

何さ、じっと見て。心読まれると思って構えたわ。七十七個シミ発見！ って、やめてよ！！

とうちゃんへ

しってるよ。ぼくはこころが見えるもん。とうちゃんも、レゴランドにいきたいって。

我が子らへ

心から「元気に生まれて来てくれただけで良い」と思ったが、近頃少し欲が出てきた

心を病む子を持つ親の会仲間 Iさんへ

「西端さんって心美人やわぁ！」って心をつけないと不都合な事でもあるんでしょうか？

先生をしている息子へ

人のこころをあんまりほじくったらあかんで。ほじくったら最後まで面倒みんなあかん。

ダウン症のある三男のクラスメイトたちへ

ことばは通じなくても、こころは通じることを、大人たちに見せてくれて、ありがとう。