住友家初代政友が晩年、商人の心得を説いた文殊院旨意書は、冒頭文のほか五ヶ条にわたって家業の永続や発展のほか、人間の努力や誠実さを求める内容にもなっている。以下は旨意書の文言です。
商事は不及言候へ共万事情ニ可被入候
一、何ニ而もつねのそうばよりやすき物 持来候共根本をしらぬものニ候ハゝ少もかい申間敷候左様之物ハ盗物と可心得候
一、何たるものにも一やのやともかし申まし又あミかさにてもあつかましく候
一、人のくちあいせらるましく候
一、かけあきないせらるましく候
一、人何やうの事申候共気ミしかくことはあらく申ましく候何様重而具ニ可申候巳上