一筆啓上賞手紙コンクール後援

第10回一筆啓上賞授賞式

朗読

「無名塾」の松崎謙二さん、西山知佐さんの朗読で作品をお聞きいただけます。(音声)

一筆啓上賞
  • 口元のわずかな動きで分かります。かあさん、きょうは、うれしいんだね。
    金子 数栄(長崎)
  • 喜怒哀楽って季節みたいだ。1度に全部来ないし、何かを残してすぎてゆく。
    寺沢 紗裕里(岩手)
  • 潮が引いた浜辺に貝が二つ。お父さん、私達みたいだね。次の波も 被り抜いていこう。
    田中 久美子(熊本)
  • 家族全員がいたときの玄関いっぱいのあの喜怒哀楽の靴たちはどこですか。
    中江 三青(鳥取)
  • 畜生!あげたてのてんぷらが食いてえ! —ガ島で戦死した兄からの最後のハガキ—
    井邑 勝(福岡)
  • きみは小さな足でかわいい地団駄を踏む。いったい誰から教わったんだい?
    塩見 直紀(京都)
  • 母が怒り出したから、「だっ」と逃げたら、「だだっ」と母が追って来た。
    石榑 美樹(新潟)
  • いつの間にか付けていた心の仮面が、今では勝手に感情を作る。本当の感情はどれ?
    加藤 裕美子(福井)
秀作
  • ねぇあなた、哀しみの次には楽しさが来るんだよ。もう一度頑張ってみようよ。
    赤瀬 悦子(長崎)
  • お母さん、ゴミ箱に「クズ入れ」と書いてあると時々入りたくなります。
    井手 悠馬(兵庫)
  • セールスマンよ。お留守番ですかとは何言だ。 老いても俺は大黒柱だぞ。
    井部 時雄(新潟)
  • 四時間目、給食までの授業時間の長いこと。カレーは胃袋にしみわたる喜びの味。
    小笠原 真実(広島)
  • あなたがいないから、泣いていたんじゃないの。私もいないから、泣いていたの。
    斉藤 由喜枝(埼玉)
  • 暗記した電話番号、まだ空で言えるけど、今や円周率と同じ位、役には立ちません。
    田島 香苗(神奈川)
  • 「お前の努力と成績、反比例。」その場は笑ってみたけれど、家に帰って泣いてみた。
    森本 達弥(福岡)
  • 虹が出た時、土筆の頭が見えた時、今年初めて燕を発見した時。なんだか幸せ。
    百瀬 舞(長野)
  • ぼくのいえのうさぎはよくわらうしよくおこるんだ。ぼくはわかるんだ。
    吉川 滉一(神奈川)

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