大阪・天王寺公園の一画に建つ大阪市立美術館は、昭和11年(1936年)に開館された日本有数の歴史をもつ美術館である。美術館という言葉自体珍しかった当時にあって、市民が優れた美術文化に接する機会を提供し、美術家の活動を助成し、大阪の文化振興を促すことを目的に、本格的な美術館を建設しようと大正9年(1920年)に計画されたものだ。
端整なシンメトリーをなす近代和風建築の地上2階建て、地下2階の本館には、日本、中国の絵画、彫刻、工芸など約8,500件を超える収蔵品と、社寺などから寄託された作品を随時展示。また地下展覧会室では、常時さまざまな美術団体が主催する展覧会が開催されており、文字通り、市民の美術館として親しまれている。