住友ベークライト
野菜や果物の
鮮度を守るための
秘密を調べてきたよ
呼吸(こきゅう)をしている野菜や果物
スーパーや青果店にならぶ野菜や果物は根から水分や養分を吸収(きゅうしゅう)するとともに、光合成をして生きていくためのエネルギーを作り出していることは、よく知っているよね。
一方で、わたしたちと同じように、野菜や果物は息を吸(す)って吐(は)いてと呼吸をしているんだ。ブロッコリーなどを、プラスチックの袋(ふくろ)に入れると、白く曇(くも)るのはそのためだよ。みんなも、自分の息を鏡や窓(まど)ガラスに息を吹(ふ)きかけると、曇ることは知っているよね。これと同じことなんだ。呼吸で吐き出した息が、細かな水滴(すいてき)になって曇るんだ。生きて呼吸をしているから、起こる現象(げんしょう)なんだよ。
寝(ね)かせて、長持ちさせる食べごろ
野菜や果物がおいしい食べごろが、長く続くといいよね。その研究が、実はもう進んでいるんだ。それは、野菜や果物に、少しの間寝てもらうこと。起きているときより、寝ているときの方が、エネルギーを使わないということはわかるかな? つまり、みんなも起きて勉強したり遊んだりしているときは、呼吸も多くするから汗(あせ)もいっぱいかいて疲(つか)れるけれど、眠(ねむ)ってしまうと動かないからエネルギーはそんなに使わないよね。それと同じ。ちょっと難(むずか)しいけれど、呼吸とは酸素(さんそ)(O2)を吸って、二酸化炭素(にさんかたんそ)(CO2(しーおーつー))を出すという繰り返し(くりかえし)で、これは野菜や果物も人間も同じ。この呼吸の繰り返すことで体内に蓄(たくわ)えたエネルギーを使っていき、例えば、葉っぱがしおれたり黄色くなったりするんだ。少しの間眠るということは、この酸素(さんそ)と二酸化炭素(にさんかたんそ)のバランスを調整してお休みすること。野菜や果物にとって、クマが春まで寝て過(す)ごす冬眠(とうみん)と同じように、むだなエネルギーを使わないので、新鮮(しんせん)さやおいしさが長持ちするというわけなんだ。
おいしさを長く楽しめる、
プラスチックの包装材(ほうそうざい)
この呼吸のバランスを整えて「冬眠状態(とうみんじょうたい)」にするのが、住友ベークライトの「P-プラス」というプラスチックのフィルムなんだ。このフィルムには、顕微鏡(けんびきょう)でしか見えない小さな穴(あな)があいていて、穴の大きさ、数などを調整することで、酸素と二酸化炭素の出入りをうまくコントロールしてくれるんだ。その穴の大きさや数は、研究している人たちが実験で調べて決めているんだよ。リンゴ、枝豆(えだまめ)やブロッコリー、トウモロコシ、アスパラガス用と、み~んな違(ちが)うんだって。
今では、このフィルムのおかげで、以前は3日ほどしか保(たも)てなかった枝豆が一週間もおいしく食べられるようになったり、それまでは鮮度が落ちるので遠い産地から運んでくることができなかった野菜や果物が、みんなの食卓(しょくたく)にならぶことができるようになっているんだ。おいしさが長く続くのには、目に見えない穴がカギだったんだね。